今やお正月の風物詩となっている、東京箱根間往復大学駅伝競走、通称『箱根駅伝』は、凄い人気ですよね。
今回ご紹介する本は、ご自身も箱根駅伝を走り、現在は解説者としてもご活躍されている、碓井哲夫さんが著者の『箱根駅伝 強豪校の勝ち方』という本です。
この本を読むきっかけ
単純に箱根駅伝ファンというのが大きいですが、長年解説者として箱根駅伝に関わってきた、言わばプロである著者の見方や考え方が知りたかったからです。
また、本の題名にある“強豪校の勝ち方”というのが気になりました。
毎年安定した成績を残す強豪校には共通の勝ちパターンみたいなものがあれば知りたいなぁ、といったところです。
著者について
著者の碓井哲夫さんは、1941年生まれの現在77歳。中央大学杉並高校(現・中央大学附属高校)時代に全国高校駅伝に2回出場されています。
高校卒業後は、実業団の東急電鉄に入団され、その後中央大学へ入学し、1963年から箱根駅伝に3年連続で出場(10区、2区、2区)し、中大5連覇、6連覇に貢献されました。
東急電鉄時代は日本選手権の5000m、10000mで共に2位に入り、東京五輪強化選手にも選ばれています。
現役引退後は指導者として、中央大学のコーチ、本田技研工業の監督を務められ、日本代表コーチとしてバルセロナ五輪、北京アジア大会、広島アジア大会に参加されました。
現在は、神奈川工科大学の陸上競技部で監督をされており、箱根駅伝のテレビ解説は1995年から務められている、まさに箱根駅伝のプロというべき存在です。
箱根駅伝の解説も、非常に分かりやすく、名物解説者として有名な方です。
こんな内容の本です
この『箱根駅伝 強豪校の勝ち方』は、以下の4章から構成されています。
第1章は世代を問わず参考になる内容
第1章の10区間攻略法に関しては、今の各区間における戦略などが語られており、参考になりました。
ここ数年の箱根駅伝のレースを思い出しながら読むと「なるほど!」と感じる部分が多かったです。
第2章からはオールドファン向け?
第2章〜第3章は、どちらかというとこれまでの箱根駅伝の歴史に近い内容が書かれています。
著者の現役当時やそれ以前の内容も多く、古くからのファンは懐かしく感じるかもしれません。
若い世代のファンには、ちょっと分からない内容もあるかもしれません。
第4章は著者の陸上競技人生と箱根駅伝についてが書かれており、1950年〜60年代の当時の話を知ることができます。
まとめ
第1章の各区間毎の考え方や戦略は、今後の箱根駅伝観戦を楽しむ上で参考になる内容だと思います。
第2章以降は、これまでの箱根駅伝の強豪校の変遷や、当時の選手の心構えや環境など、これまで知り得なかった内容だったので、個人的には参考になりました。
ただ、“強豪校の勝ち方”といった点で考えると、過去と現在のギャップがかなりあり、特に現在の状況には当てはまらない点も多く書かれているように感じました。
個人的には、もう少し現代にフォーカスした内容でも良かったのかな?と思います。
どちらにせよ、箱根駅伝ファンなら1度は目を通してみる価値はある本だと思います!